WBC世界バンタム級王者山中慎介(33=帝拳)が、達成率3・8%の高い壁に挑む。前WBA世界スーパーフライ級王者ソリスとの10度目の防衛戦(4日、島津アリーナ京都)に向け2日、京都市内のホテルで調印式に臨んだ。これまでに79人いる国内ジム所属の世界王者で2桁防衛を果たしたのは具志堅氏、長谷川、内山の3人のみ。史上4人目の偉業を代名詞のKOで決めると誓った。
調印後のグローブチェックで左拳を入れた瞬間、山中の目は一気に鋭さを増した。「ガラスの顎」と挑発してきたソリスに対してコメントを求められると、口調を強め「彼にガラスを割る力があるのかと。試合でガラスになるのはソリス。覚悟しておいてください」。夕方には市内のジムで約1時間の練習を行い、リミットもクリア。「ばっちり。強い姿を見せる」と短い言葉で決意を語った。
王座奪取から4年4カ月。9度の防衛を重ねる中で、前にいるのは大きな刺激を受けてきた3人だけとなった。最多記録を持つ具志堅氏は、同じサウスポーとありデビュー前から何度も試合映像を見てきた。魅力的だったのは「野性的な攻撃力」。相手を倒しに行くスタイルの原点を学んだ。
自身のデビュー当時、圧倒的な強さで人気を誇った長谷川からは、世界王者としての風格と威厳を感じ取った。「防衛を重ねる度にすごみを増していった印象。コメント1つからもチャンピオンの振る舞いを感じた」。同じバンタム級。未来の姿を重ね合わせた。
世界王座獲得後は、内山がいた。フィジカルトレーニングをいち早く導入し、徹底した食事管理で衰え知らずのパフォーマンスを維持。「自分で考えて、それをやり抜く精神力がすごい」と尊敬を隠さない。「3人に共通しているのは、しっかりとした自分を持っていること」。誰よりもこだわってきたKOで、新たな領域に足を踏み入れる。【奥山将志】

