ボクシングの東洋太平洋ミドル級王者太尊康輝(たいそん・こうき、24=六島)が13日、大阪市内のジムで会見し、4月16日に大阪・住吉区民センターで同級11位アン・サンジェ(韓国)と初防衛戦を行うことを発表した。

 昨年11月に王座奪取した太尊は、190センチ近いサウスポーで、ここまでの戦績は11勝(10KO)2敗2分け。今月初めには沖縄で1週間の合宿をこなし、100キロ以上の走り込みをこなし「追い込めた。下半身を作ってきました」と順調な調整を続けている。

 年初には待望の運転免許も取得。「(東洋太平洋)チャンピオンになれたし、防衛して車を買えるようになりたい」と、新たな野望を抱く。欲しい車種はマセラティのスポーツカーだが、世界王者になれば「戦車に乗りたい」と、破天荒な夢を持つ個性派だ。

 ロンドン五輪金メダルの村田諒太も狙う世界のミドル級戦線は、WBCとIBF、WBAスーパー王座を統一している絶対王者ゲンナジー・ゴロフキン(34)ら強豪がひしめく。その中で、WBA13位にランクインしている太尊に対し、六島ジムの枝川孝会長は「勝てば世界戦のアプローチをかけていこうかなと思っている。やっていくことで、引っかかることもある。ミドル級でチャンスが来て、逃げるバカはいない」と、今年中の世界戦実現を視野に入れる。

 元高校球児の太尊も「ボクシングの世界には、夢を求めて飛び込んできたので」と、その拳でビッグチャンスを引き寄せるつもりだ。