王者井上尚弥(24=大橋)が「モンスター」の愛称にふさわしい圧勝KO劇で7度目の防衛に成功した。挑戦者の同級6位ヨアン・ボワイヨ(29=フランス)から左フックと左ボディーブロー連発で計4度のダウンを奪って3回1分40秒、レフェリーストップによるTKO勝ちをおさめた。

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 井上の圧巻KOでパワーの差が歴然だった。最初のパンチは左フックでガードの上だったが、パンチの音が違った。あの1発をもらっただけで相手はもう逃げ腰。早々に終わると確信した。内容というより、力の差がありすぎて相手にならなかった。

 井上は1発1発が重く、自信を持って打ち込んでいる。この階級であのパワーに対抗でき、お客さんに井上が負けるかもしれないと思わせるような相手はいない。井上自身、勝ってもあまりいい顔をしていない。物足りなさがあるからだ。

 バンタム級へ昇級は必然で、より強い相手を探していくしかない。最初に両手を高く上げて大きく構えたのも、今後の身長のある相手への対策と言える。階級を上げれば相手のパワーは増すが、逆に井上本来のテクニシャンぶりも発揮できる。実は強さよりうまさの選手。本人も相手と向かい合い、ジャブを突き合い、ボクシングをしたいはずだ。

 それでも相手になるのは王者クラスだろう。あのパワーがあれば、それもどんどん勝ち続けられる。フェザー級までは今でも十分通用すると思う。(元WBC世界スーパーフライ級王者)