NEVER無差別級王座戦は、敗者髪切りデスマッチで行われた。挑戦者後藤洋央紀(38)は、王者鈴木みのる(49)のチョークスリーパーに苦しめられた。

 激しい打撃を受けて、口の中が切れて流血。しかし必死の形相でエルボーを打ち返して反撃。雪崩式の牛殺しも繰り出して、チャンスをつかんで勝利した。昨年4月に鈴木に奪われたベルトを取り返した。試合後はリング上で、バリカンを手に持って、鈴木の髪を切る準備に入った。

 もうろうとしていた鈴木は、仲間に支えられてリングを去りかけたが、自分の手で仲間を振り切って、リングに戻った。後藤の手からバリカンを奪い取り、リング中央の椅子にどっかりと座り込む。その上で、自分の手で後頭部の髪を刈り取った。控室までの通路では、怒りからゴミ箱をぶちまけた。鈴木軍の面々は「撮るんじゃねえ!」と報道陣を威嚇した。

 新王者の後藤は、会見で「このベルトが無事にもどってきた。ここがスタートライン」と喜びを口にした。その上で、自らバリカンを手にした鈴木について「最後は潔く、髪を切った。向こうの意地でしょうね。初めてですよ、彼とやってこんなすがすがしい気持ちで終われるのは。鈴木みのる、今日が1番強かったよ」としみじみ話した。