棚橋弘至(41)が再起戦でIWGPインターコンチネンタル王座の4度目の防衛に成功した。

 昨年11月に右ひざを痛めて以来の試合で、反逆の次世代外国人へ変貌したジェイ・ホワイト(25)を迎え撃った。右ひざを徹底して攻撃されたが、最後はハイフライフローの連発から片エビ固めで仕留めた。

 医師からは「再発の可能性がある」と言われ、本格練習を始めたのは10日前だった。その爆弾を執拗(しつよう)に攻められた。何度もねじられ、何度も蹴りを入れられ、何度ものしかかられた。踏ん張りが利かず、痛みも増して、技をかける途中で倒れ込んだほどだった。

 それでも目には目をとばかりに、ドラゴンスクリューでホワイトのヒザをひねり返す。捨て身とも言える場外へのハイフライフローを浴びせる。これで形勢が変わり、棚橋の反撃の口火になった。1度はハイフライフローをかわされたが、ホワイトの必殺技ブレードランナーをスープレックスで返す。さらにハイフライフローの連発で決着をつけた。

 勝利インタビューでは開口一番「もっと簡単に勝たないといけない。ジェイには輝かしい未来が待っているが今じゃない。まだ粗いし、若い。今日の勝ち方では大きいことは言えないけど」と、V4にも満足していなかった。

 12年のオカダに続いて、若手の踏み台になることは阻んで見せた。ただし、今回はメインでもなくセミでもなく、1・4では8年ぶりのことだった。「プロレスラーに試合順はものすごく大事。話題の中心で、チヤホヤされたい」と再起は新たな出発点。大観衆に「久しぶりのドームでうれしい気持ちも悔しい。オレがメインで4万人を集めたい」と、再び頂点への意欲を口にした。