元WBOバンタム級王者の亀田和毅(26=協栄)が4日、都内で、翌5日に東京・後楽園ホールで行うダニエル・ノリエガ(32=メキシコ)との世界前哨戦に向けた公式計量に臨んだ。試合は56・8キロ契約・10回戦で行われ、亀田和は56・8キロ、ノリエガは56・7キロで計量をパスした。

 亀田和は練習拠点を置くメキシコで、スパーリング中心に4カ月間、集中してトレーニングを続けてきたという。実戦練習が少なかったという意識があり「1月から週3回ペースで、大きい選手から小さい選手、サウスポーまで、ずっと実戦をやった。200回は超えているんじゃないですか」と胸を張った。

 具体的にレベルが上がったのはどこか? と聞かれると「頭ですね。賢くなった。前までやったら、ガムシャラにスピードでいくだけ。少なかった引き出しが増えた。考えて、こういう風にしたら相手が弱っていく、というのが分かった」と語った。技術についても「上がった。前と違うのは、そこ。パンチ、コンビネーション、フェイントも100種類くらいある。勉強して(引き出しが)多くなった」と、全体的にレベルが上がっていることを強調した。

 対戦相手のノリエガをどう倒すか、イメージはあるか? と聞かれると「イメージは対戦が決まってから、ずっとしている。普通にやれば、勝てるんじゃないですか?」と笑みを浮かべた。ノリエガは、2階級制覇のターゲットとして見据えるWBAスーパーバンタム級王者ダニエル・ローマン(27=米国)と、15年7月に北米スーパーバンタム級王座決定戦で対戦し、10回判定負けと粘っている。ローマン戦への“物差し”になるのでは? と聞かれると「相手なんか、誰でもいいですよ、ほんまに。今、練習していることを、リングの上で練習以上、出すことが今回の目標」と言い放った。

 その上で「明日にでも世界戦をやりたいくらい。みんなから『世界に行って、いいじゃないか』と言われるような試合をしたい」と自信満々で語った。

 同じリングでは、兄興毅(31=協栄)が1日限りで現役復帰し、元WBC世界フライ級王者ポンサクレック・ウォンジョンカム(40=タイ)と引退試合を戦う。兄弟で同じリングに立つのは、14年11月に米シカゴで行われた試合以来3年6カ月ぶり。兄とは毎日、連絡を取り合っているが「今回、一緒のカードで出られるのは、うれしいですね。お兄ちゃんの引退試合…俺が良い試合をして、お兄ちゃんにつなげたいです」と、改めて尊敬の念を口にした。【村上幸将】