ボクシングWBA・IBF世界バンタム級王者井上尚弥(26=大橋)が25日、横浜市内の所属ジムでプロ18戦で獲得した世界主要団体など計5本のベルトをお披露目した。WBA、WBC、IBF、WBOの4団体に加え、1922年創刊で歴史と権威のある米老舗ボクシング誌ザ・リング認定のバンタム級ベルトが先週届き、コンプリートした世界的な全ベルトを並べた。

井上は「自分もこうやってベルトを並べたのは初めて。重圧というか、やってきた歴史を感じました。最初にWBCのタイトルを取ってWBO、WBA、IBFと取りましたが、それぞれ思い出があります。これに満足しないで頑張りたいです」と決意を新たにした。

主要4団体のベルト制覇は過去に36戦目で高山勝成が成し遂げたが、5本のベルトの獲得は日本人初となった。所属ジムの大橋秀行会長は「ベルトをみてやり遂げたなと思う。しかし、またあらためてここからがスタートです」と強調した。

井上は14年4月、当時の日本最速となるプロ6戦目で初世界王座となるWBCライトフライ級ベルトを獲得。8戦目となる同年12月にはWBO世界スーパーフライ級王座を奪取し、2階級を制覇。16戦目の18年5月にWBA世界バンタム級ベルトを奪った。昨年10月から階級最強を決めるトーナメント、ワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)に参戦。今年5月のWBSS準決勝では、ザ・リング認定ベルトも懸けられ、IBF王者エマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ)を2回TKOで下し、一気に全ベルトを手中にしていた。

年内に予定されるWBAスーパー王者ノニト・ドネア(フィリピン)とのWBSS決勝に向け、大橋会長は「日時、会場はまもなく決まると思います。このベルト5本とはまた違ったベルトも狙っていきたい」とサポートを約束していた。

★世界主要ベルト★

◆WBA(世界ボクシング協会)1921年発足。本部はパナマ。52年に日本ボクシングコミッション(JBC)認定。全米ボクシング協会が母体。62年に現名改称。ヒルベルト・メンドーサ会長。

◆WBC(世界ボクシング評議会)1963年発足。本部はメキシコ。70年にJBC認定。加盟国がもっとも多い世界最大王座認定団体として知られる。マウリシオ・スライマン会長。

◆IBF(国際ボクシング連盟)1988年発足。本部は米国。13年にJBC認定。ニュージャージー州に本部がある米唯一の団体。ダリル・ピープルズ会長。

◆WBO(世界ボクシング機構)1988年発足。13年にJBC認定。元6階級制覇王者オスカー・デラホーヤ(米国)が最初に獲得した王座として有名に。フランシスコ・バルカルセル会長。

◆ザ・リング 1922年創刊の米老舗ボクシング誌。創刊から独自に各階級ランキングや王者を選出、認定する。階級を超越したパウンド・フォー・パウンドも決めている。ダグ・フィッシャー編集長。