ボクシングWBA世界ミドル級王者村田諒太(33=帝拳)が五輪銅メダリストとの実戦トレーニングに励んでいる。12月23日、横浜アリーナで臨む同級9位スティーブン・バトラー(24=カナダ)との初防衛戦に向け、21日に都内の帝拳ジムで練習。18日から新たに呼んだ16年リオデジャネイロ五輪同級銅メダルのミサエル・ロドリゲス(25=メキシコ)とスパーリングを始めたことを明かした。

ロドリゲスはプロ転向から10連勝(5KO)と勢いがあり、所属ジムの本田会長も「手数と速さがある」と解説。メダリストとのスパーリングは攻守の引き出しを増やすなど技術面の確認とともに精神的な刺激も十分。村田は「(12年ロンドン五輪同級)金メダリストとして負けられないですから」と触発されている。

20日には早速、ロドリゲスと3回のスパーリングで拳を交え、ロープ際に追い込んで主導権を握る展開を演出したという。村田は「初めてスパーリングする時が大事。反応も良く、いいスパーリングができたと思います」と自ら及第点を出した。村田戦決定前までWBOで1位にランクされたKO率8割を誇るバトラーと初防衛戦まで、残り約1カ月。村田は「自分が崩れないように。自分の全体像をつかんで調整したい」と「金VS銅」の実戦トレで仕上げていく構えだ。【藤中栄二】