全日本プロレスの後楽園大会で3冠ヘビー級選手権が行われ、挑戦者諏訪魔(43)が王者宮原健斗(30)の史上最多11度目の防衛を阻止し、新王者となった。

体力を削り合う30分超の戦いの末、ドロップキックから岩石落とし固めに持ち込み勝利。自身が持つ最多戴冠記録を7に伸ばし、会場に集まった1213人を熱狂させた。これで既に保持している世界タッグのベルトと合わせ5冠を達成。マスク姿の観客とともに「全盛期だ、オイ!」の大合唱で締めた。

新型コロナウイルスの影響により、約1カ月ぶりの興行再開。観客にマスク着用や手指消毒を求めるほか、非常口を開けた換気をし、紙テープを投げる応援を禁じるなど通常とは違う雰囲気の中で行われた。諏訪魔は「(客は)マスクで声は出にくくなる。それでもプロレスを見たいと思うファンの期待に応えるしかない」。さらに「マスク越しの声援で貴重なこと。でも気持ちは今日が1番最高だったんじゃないかな」と特殊な状況で強敵宮原に勝った喜びをかみしめた。