<プロボクシング:54・8キロ契約体重8回戦>◇23日◇エディオンアリーナ大阪

無敗の格闘家で東洋太平洋スーパーバンタム級6位の那須川天心(25=帝拳)が、ボクシング初KO勝利を挙げ、世界ランキング入りを確実にした。

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昨年11月。千葉・成田のゴルフ場で取り組んだ3度目の走り込み合宿中だった。那須川は、担当の元世界2階級制覇王者の粟生隆寛トレーナーに、あるトレーニングを提案した。「走り込む練習を東京に戻ってもできませんか」。継続的な走り込みは同トレーナーも必要性を感じていたところだった。同月下旬から粟生トレーナーの呼びかけで週1回、都内の陸上競技場などに帝拳ジム勢が集合。800メートルなど中距離走を主体にしたダッシュメニューが定期的に始まった。

この走り込みにはWBC、WBO世界ライトフライ級1位の岩田翔吉(27)、WBOアジア・パシフィック・フェザー級王者の藤田健児(30)ら7~8人の選手が常時参加。タイムを競争し合うことで手が抜けないという。昨年9月の転向2戦目で左拳を骨折していた那須川は「手が使えない分、走り込みました。日々の繰り返しは大事」と実感。通常体重も60キロまで絞れたとし「1年かけてボクシングをやって、体形の変化も徐々にできている」と口にした。

那須川自らの提案で始まった練習メニューはジムの先輩たちにも大きな刺激を与えた。岩田は「全体の強度が上がった。ジムワーク後の疲れの感覚が少なく、体重もすごく順調に落ちる」と手応え。那須川の提案で名門ジムに新たな風が吹いている。【藤中栄二】