ボクシング4団体統一スーパーバンタム級王者井上尚弥(32=大橋)が、国内調整終盤で万全のスパーリング内容を見せた。5月4日(日本時間5日)に米ラスベガスで行うWBA世界同級1位ラモン・カルデナス(29=米国)との防衛戦を控え、21日に横浜市内の所属ジムで日本フェザー級12位高優一郎(23=横浜光)と6回のスパーリングを消化。コロナ禍だった過去2度とは違うベガス決戦へ、手応えを胸に渡米する。
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一瞬も無駄にしない。井上が日本フェザー級12位の高の動きを見極め、ぐいぐいと左ジャブで制御。6回のうち、連打からの左ボディー、強烈な右ストレートで後退させた。時にロープやコーナーを背負って戦う場面も演出。1回ごとにテーマを持って取り組んでいるとし「具体的には言えないけれど、1つ1つ考えながらやっている。(カルデナス対策を)頭にいれつつもあるし、自分の動きを確認する部分もある。いろいろイメージしながら」と何度もうなずいた。
4月から本格的な減量を開始し、週2回ペースのスパーリングという国内調整も終盤に入った。疲労を感じつつも、神経を研ぎ澄ませ、実戦練習に妥協はない。井上は「疲労はピークですね。それはこの時期ならば、いつも通りのこと。逆に順調だなと思う」と前向きに手応えを口にした。
今週中にもう1度、国内で最後のスパーリングを消化し、渡米する予定。黒色だったヘアもカットし、明るいブラウンのカラーも入れた。「特に髪の色に意味はない。気分なので」と苦笑いしつつも、ベガス決戦へのスイッチが入ったようにみえる。井上は「かなり調整は順調にきていると思う」と自信に満ちあふれた表情を浮かべた。
WBAスーパー、IBF世界バンタム級時代となる21年6月のマイケル・ダスマリナス(フィリピン)戦以来、3年11カ月ぶり3度目のベガス決戦となる。過去2度はコロナ禍だったこともあり、試合前は本場の現地ファンともほぼ顔を合わせることはなかった。今回は興行主となる米プロモート大手トップランク社によるファン公開イベントが準備されているという。
「そういう行事は楽しみですよ。1つ1つのイベントを楽しみたいなと思う」と井上。「聖地」で控える大舞台へ、井上も胸の高まりを感じている。【藤中栄二】

