横綱白鵬(30=宮城野)が闘争本能を全開させた。新関脇の嘉風戦。左で張り、右でかちあげる必殺の立ち合いで攻めると、途中で食らった張り手でさらにヒートアップ。左を差して一気に寄ると、最後は土俵下まで投げ飛ばした。「いい相撲だったと思います」。口を切り鼻血も出た嘉風の返り血を、左頬と肩に浴びながら、今場所最多の懸賞金48本(手取り144万円)を受け取った。

 33歳で充実期を迎える相手に、激しい攻めで強さを誇示した。嘉風には昨年秋場所で敗れ、横綱昇進後初の休場へと追い込まれた。先場所はわずか0・7秒で勝ったものの、あっけない決着に「申し訳ない」とファンに謝罪。そんな不完全燃焼の思いも吹き飛ばし「スピードで負けないように臨みました」とうなずいた。

 同じく連勝を守った琴奨菊にも刺激を受けた。「大関がいい相撲を取っていたので、ヨシッとなった」。これで40度目のストレート給金。「40回か…」と一瞬感慨深げな言葉をこぼしたが、ゴールはまだ先。36度目の優勝へ、さらに気持ちを高めていく。【木村有三】