日刊スポーツが行った人気力士アンケート「第5回大相撲総選挙」は、大関稀勢の里(29=田子ノ浦)が5連覇を成し遂げた。昨年を1万6000票以上も上回る総数5万8265票のうち、7323票を獲得。2位以下にダブルスコアをつけた。春、夏場所で活躍し、初優勝と日本人横綱誕生に向けて高まる期待感が「不動のセンター」に後押しした。

 稀勢の里は接戦を予想していた。「僅差でした?」と聞いたほど。だが、結果は正反対だった。最大でも725票差しかなかった過去4回と違って、今回は2位以下の追随を少しも許さなかった。5年連続となる「定位置」に収まり「ありがとうございます。ありがたいですね」と感謝した。

 春、夏場所で初めて2場所連続の13勝。今まで「裏切ってばかり」と苦笑いさせてきた周囲の期待を一変させた。「ついに優勝、綱とりが現実的になってきて心からうれしい」(20代女性)「優勝おめでとうと言いたい」(20代女性)。声には、優勝と横綱昇進へ「今度こそ」が強くにじむ。

 「優勝していないから何とも言えないけど、うれしいこと。だいぶ力も出てきて、やりたいようにやることができています。たまたまで勝つこともありますが、今回はそういうのではなかったと思いますし」。

 手応えは確かになってきた。本当にあと1歩。白鵬からはその部分を、ひよの山かぞえ歌を歌わないといった「日ごろの行い、考え方」と言われたが「照れ屋で不器用なお相撲さんがいてもいい」(30代女性)「最近のペラペラしゃべる力士とは違う」(50代男性)と擁護の声が多数あった。

 そして、こんな声も。「いつもハラハラドキドキさせてくれる。マンネリ気味のカップルは一緒に稀勢の里の相撲を見たらいいんじゃないかしら。つり橋効果みたいな感じで、きっと楽しいと思います」(20代女性)。大笑いの大関は「一生懸命やります。自分の相撲を取るために、しっかり準備して、集中して」。名古屋もドキドキが詰まった場所にする。【今村健人】

 ◆投票方法 投票対象は夏場所番付の幕内力士。5月23日から6月4日まで、はがきと日刊スポーツのウェブサイトで投票を受け付けた。ウェブでは端末1つにつき1日1回、1回3人まで投票可能。はがきは1枚あたり3人まで投票可で、はがきに限って1票あたり5倍で計算。ウェブとはがきの投票を合わせて順位を決めた。はがきが1431票(×5で7155票分)、ウェブで5万1110票が集まった。