大相撲の貴乃花親方(43=元横綱)が2日、膵臓(すいぞう)がんのために61歳で急逝した元横綱千代の富士の九重親方(本名・秋元貢)の弔問のために東京都墨田区の九重部屋を訪れた。

 福井市で行われた巡業から帰京し、喪服姿で訪問。約6分後に部屋を後にすると「突然の出来事で、巡業初日での訃報を聞くのは、まさに驚きのひと言。ご遺族のおかみさんを始め、みなさまのことを考えますと、言葉にならないのが現状であります」と話した。

 91年夏場所初日に西前頭筆頭の18歳として横綱千代の富士とただ1度だけ対戦し、金星を挙げた。その2日後に、千代の富士が引退するきっかけともなった。ただ、その思い出の一番には「そういうことは今日は抜きにしましょう」とさえぎり「亡き九重親方の生前のご活躍と、これまでの実績をみなさんと心に秘めていたいと思います」と、寂しそうに話し、故人をしのんだ。