大相撲春場所(12日初日、エディオンアリーナ大阪)の開幕を1週間後に控えた5日、貴乃花親方(44=元横綱)が大阪市内で、落語家の桂文福(63)とのトークショーに臨んだ。「不惜身命 貴乃花道」と銘打たれ、自身の相撲哲学や現役時代の思い出話、今後の相撲界の展望など約200人を前に、時に熱っぽく語った。

 モンゴル勢や学生出身力士が十両以上に多数、占めるのが現状だが、今後については「10代で相撲界に入った子が台頭してくると思う。横綱や大関になるのも、10代で入った方が(誕生)しやすいと思う」と見通した。また、角界に伝えられている「負けて覚える相撲かな」の格言についても「勝負事は絶対に、負けたことから覚えることはない。だから勝たなければいけない、という緊迫感が常にあった」などと、独自の考えも披露した。

 春場所で期待する力士には「地元大阪出身の(大関)豪栄道と新横綱の稀勢の里に活躍してほしい」と話し、稀勢の里の先代師匠にあたる鳴戸親方(元横綱隆の里)が新横綱の場所で全勝優勝したことを持ち出し「師匠の再来、となるかもしれませんよ」と自身も成し遂げた新横綱場所Vに期待。新入幕の宇良(24=木瀬)についても「あの小兵で大したものです。忍者みたいな相撲を取る。相当、人気が出る力士だと思う」と注目した。