大相撲秋場所で10勝を挙げ、九州場所(11月12日初日、福岡国際センター)で昭和以降最年長の再入幕が確実な十両安美錦(伊勢ケ浜)は3日で39歳を迎える。

 38歳最後の日の2日、東京・両国国技館で全日本力士選士権に出場し、ずっと十両で過ごした38歳の1年間を「大変だったよね」と、しみじみと振り返った。

 37歳だった夏場所で左アキレス腱(けん)を断裂し、十両に落ちた。だが、相撲をあきらめず、幕内で取ることをあきらめず、たった4カ月で復帰。決して万全ではない中で、今年の初場所こそ負け越したが、それ以外は全て勝ち越してきた。

 39歳は、幕内から始まる。ただ、幕内に戻ることが今の目標ではない。「通過点としか思っていない。まだ上(三役)もあるしね」。

 39歳の1年間の目標は? 「変わらずにまた、相撲をやっていればいい。やることをやれる年に。しっかり稽古して、巡業に出て、場所に出て…。それの積み重ねしかないかな」。

 再び幕内最年長力士となる。だが、やっていることは、相撲に対する考えは、若い力士にまるで負けていない。