大相撲の横綱日馬富士(33)が鳥取市内で平幕貴ノ岩(27)に暴行した問題で、現場のラウンジに同席していた横綱白鵬(32)が28日午後も続いた鳥取県警の聴取に、「ビール瓶ではなく、カラオケのリモコンで殴っていた。自分が制止した」などと、日馬富士とおおむね同じ説明をしていたことが捜査関係者への取材で分かった。

 白鵬は聴取後の同日夕、報道陣に「自分の知ったことを全て伝えた。後は(日本相撲)協会と警察に任せたい」と述べた。

 県警は、横綱鶴竜ら同席した力士らの聴取をほぼ終えており、年内にも傷害容疑で日馬富士を書類送検する方向で詰めの捜査を進める。

 同席者らの証言は一部に食い違いがあり、県警はこれまでの聴取結果などを踏まえ、日馬富士や貴ノ岩から再聴取する方向で検討している。

 一方、日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)は28日午後、福岡市内で十両以上の力士を対象に講話を行い、「暴力問題を二度と起こさない」と宣言した。日馬富士と貴ノ岩は欠席した。

 県警は捜査員を派遣し、28日午前から、福岡市内のホテルで白鵬を聴取。日馬富士の暴行時や白鵬が制止したとされる状況、酒席が設けられた経緯などの説明を求めたとみられる。

 白鵬は午後4時半ごろ、ホテルの通用口に着物姿で現れた。車に乗り込む際、言葉を選びながら報道陣に応対。周辺は報道陣や相撲ファンら数十人が集まり、一時騒然となった。

 白鵬は、九州場所千秋楽の翌27日に行われた記者会見で「見たままを話す」と語っていた。