横綱白鵬は4日、長崎県五島市で行われた冬巡業で、元横綱日馬富士関が暴行問題の責任を取って引退したことについて「本人にどういう言葉を掛ければいいか見つからない。難しい。少し時間を置いて、本人に直接伝えられればいい」と述べた。

 元日馬富士関が11月29日に引退して以降、白鵬が言及するのは初めて。巡業では取組や土俵入りをこなした。

 暴行を受け、巡業を休場している平幕貴ノ岩の診断書は、4日も提出されなかった。貴ノ岩の師匠、貴乃花巡業部長(元横綱)に代わり、巡業の責任者を務める春日野広報部長(元関脇栃乃和歌)は「義務だからね」と対応の遅さに首をかしげた。同広報部長は巡業初日の3日に続き、日本相撲協会を代表してあいさつで来場者に暴行問題を謝罪した。

 元日馬富士関は10月の秋巡業中の酒席で、貴ノ岩に暴行した。白鵬は現場に同席しており、協会危機管理委員会の経過報告によると、白鵬が説諭した際、貴ノ岩がスマートフォンをいじっていたことが発端となり、元横綱の暴行につながった。

 白鵬と元日馬富士関、貴ノ岩はいずれもモンゴル出身。白鵬は40度目の優勝を果たした九州場所千秋楽のインタビューで「日馬富士関と貴ノ岩関を再び土俵に上げてあげたいと思う」と発言。さらに観客に万歳三唱を促すなど言動が横綱の品格に関わるとして、11月30日の定例理事会で厳重注意を受けた。