関脇栃ノ心(30=春日野)の2場所連続優勝が遠のいた。大関豪栄道が立ち合いで、大きく左に変化。虚をつかれた形になり、送り出しで3敗目を喫した。「にらみつけられたから、絶対にかましてくると思った。これ(約20センチ)ぐらい、こっち(向かって左)に仕切って、こっち(自分の右)だからね。ビックリした」という。

 豪栄道とは今場所前も出稽古で何番も相撲をとっていた。低く強く当たって、前まわしを取りに来る大関のパターンが頭にすり込まれているだけに、驚きだった。ただ「まったく考えてなかったわけじゃないけど。(豪栄道が)先に仕切ったから“ん?”と思ったし…」。全勝の鶴竜と取組が残っているとはいえ、残り5日で3差は絶望的ともいえる。それでも「勝ちは勝ちやからね。反則じゃないし、仕方ない。厳しいけど、頑張るしかないでしょう」と、11日目の大関高安戦に気持ちを切り替えていた。