「湘南の重戦車」が関取復帰を有力にした。5勝1敗で7番相撲を迎えた西幕下3枚目の朝弁慶(29=高砂)が、3勝11敗と負けがこんでいる東十両7枚目の天風(尾車)と対戦。押し倒しで破り、再十両を有力にした。

 恵まれた体で押しを得意にし出身地(神奈川・平塚市)にちなんで「湘南の重戦車」の異名をとり、15年九州場所で新十両昇進を果たした。丸1年、十両で取ったが16年九州場所で幕下へ陥落。幕下上位で再浮上をうかがいながら、9場所を要しての関取復帰を有力にした。

 事実上の“入れ替え戦”を制し「良かった。やっと戻れる…、戻れますかね?」と笑った。幕下に甘んじた、ここ約1年半を「つらかったし、長かったです。気持ちだけが“戻らなければ”と焦ってしまった」と振り返った。前夜は午後11時に布団に入ったが、さすがに緊張か、考えすぎ寝付くまで3時間かかったという。「もう落ちないように頑張ります」と早くも次の場所に目を向けていた。