6場所連続休場中の大相撲の横綱稀勢の里(31=田子ノ浦)が8日、千葉県松戸市の佐渡ケ嶽部屋で行われた二所ノ関一門の連合稽古に参加し、前頭琴奨菊に6勝10敗だった。

 前日に続く連合稽古への参加となったが、圧力のある相手に立ち合いから一気に寄り切られる場面が目立った。勝った6番も、土俵際で逆転の突き落としなどが続き「快勝」と呼べる内容は、まわしにこだわらず、突き放して圧倒した3番しかなかった。

 稽古後は「またしっかりとやるだけです」などと、言葉少なに引き揚げた。前頭嘉風に9番で全勝だった前日7日は「だいぶ良くなっている」などと話していたが、三役以上の申し合いで3勝5敗だった3日の稽古総見、関脇栃ノ心に2勝9敗だった4日の出稽古と同様に、内容も成績も伴わなかった。

 見守った芝田山親方(元横綱大乃国)は「何をしたいのか分からない。差すのか、上手を取るのか、押すのかバラバラ。気持ちと体がかみ合っていない。原点にもう1回戻らないとダメ。横綱、大関に上がったころのように、自分を見つめ直してほしい。仕切りでも尻が後ろに出ているから(バランスが悪く)押されると弱い。どうしようもない。今の状況だと、いいことは言えない」と、厳しく指摘していた。【高田文太】