幕内格行司の式守与之吉(50=宮城野)が、皇后陛下のお気遣いに感謝した。

初場所中日は平成最後の天覧相撲で、説明役を務めた八角理事長(元横綱北勝海)によると、皇后陛下が「与之吉さんは大丈夫ですか?」と、ギラン・バレー症候群から復帰した与之吉の体調を気にされていたという。

このやりとりを打ち出し後に伝え聞いた与之吉は「びっくりですね。行司なんかに…。ありがたいですし、びっくりです。光栄で…、今日は眠れないですよ」と興奮気味だった。

2017年12月、四肢に力が入らなくなるギラン・バレー症候群を発症し、昨年は5場所連続休場。九州場所から土俵に戻った。初場所は復帰2場所目。土俵上の動きに問題はないが、実はまだ万全ではない。

「手の握力がまだ戻らないんです。軍配を握るのは問題ありません。でも、はしでラーメンをすくうのは難しい。相撲字を書くのも問題ありませんが、細かい字を書く時は震えます。月に1度、病院に通い、いただいたリハビリのプログラムを地道にやっています」

現在は幕内格で、この日はこの日は、勢-琴恵光戦と阿炎-千代翔馬戦の2番を裁いた。陛下がいらしたのは幕内後半だったため、土俵での裁きをみていただくことはできなかった。これまでの天覧相撲では陛下が入場する際や、御前掛かり(天覧相撲での土俵入り)でのアナウンスを担当したことがある。「緊張しましたよ」という記憶が残っている。

「びっくりですね」を連発した与之吉にとって、平成最後の天覧相撲は今後への活力にもなったようだ。