11月場所で13勝2敗という優勝同点の成績を収めた小結照ノ富士(29=伊勢ケ浜)が4日、電話取材に応じ近況を明かした。

この日は、基礎運動で汗を流した後、平幕の宝富士(33)と15~20番ほど、相撲を取る稽古を行ったという。他の部屋の多くは、場所後1週間の稽古休みを終えた今週は、基礎作りに終始するが「うちの部屋は(これが)普通。いつも通り」と淡々と話した。先場所後同様、千秋楽の数日後には個人のトレーニングを始め、これも「いつも通りです」と当然のことのように話した。来年の大相撲初場所(1月10日初日、東京・両国国技館)に向けて、既にスイッチは入ったようだ。

先場所は千秋楽の本割で大関貴景勝(24=常盤山)を破り、優勝決定戦まで持ち込んだが、優勝を懸けた一番は完敗。「もう場所は終わった。次の場所に向けて頑張るだけ」と心は切り替わっている。関取復帰に始まり、再入幕で幕尻優勝、そして返り三役で13勝と、順風満帆に歩んだ今年1年は「まあ、予定通りかなと思います」と総評。周囲の驚き、喜びを分け与えたことには「出来ることを全部やって、それで見ている人が喜んでくれたらいい」と話した。

次なる大関復帰という目標が、現実味を帯びてきた。先場所前から「この3場所が大事」と意識していたが「まずは(11月場所で)13勝なので(初場所は)2ケタ以上は目指して、という感じかな」。11月場所後に29歳になった。20代最後の1年に向けて「20代最後の年、いい締めをして終わらせて、30代に入りたいと思う」と話した。