大相撲の元十両勇磨の断髪式が6日、東京・両国国技館で行われ、約200人がはさみを入れた。会場には隆の勝、一山本、正代、阿炎らも駆けつけ、花を添えた。

勇磨は断髪式後、自身の土俵人生を「決して順風満帆ではありませんでした」と振り返り、左手首3度を含む計5度の手術を経験した苦闘を回想。「心が折れなかったと言えば、うそになります。それでも土俵に戻りたいという気持ちを持ち続けた」と胸の内を明かした。

25年名古屋場所後には「番付も上がり切れなかったので、ダラダラ続けるのはやめようと思いました」と引退を決断。その後も今年の夏場所まで現役を続けたのは、地元・大阪での春場所で、多くの人に最後の姿を見てもらいたいという思いがあったからだと振り返った。

中学卒業後に入門して得た最大の財産には「継続」を挙げ「礼儀、感謝、継続することの大切さ、そして人とのつながり」を胸に刻んだ12年間だったと総括した。

今後は広島で会社員として第二の人生を歩む予定で「尊敬する人にはなりたいです。何でもやりますという気持ちです」と新たな決意を口にした。【山田遼太郎】

◆勇磨猛(ゆうま・たける=本名中尾勇磨)1998年(平10)6月13日生まれ、大阪府枚方市出身。阿武松部屋。小学5年生で相撲を始め、中学卒業後に角界入りし、14年春場所で初土俵を踏んだ。17年に左ひざ前十字靱帯断裂の大けがを負うなど苦しい時期もあったが、懸命なリハビリではい上がり、20年初場所で三段目優勝。22年秋場所では朝乃山を破り注目を集め、23年名古屋場所で入門から9年越しの新十両昇進を果たした。最高位は東十両13枚目。通算256勝208敗50休。178・5センチ、125・8キロ。