大関復帰を決めた関脇安青錦(22=安治川)が、3場所ぶり3度目の優勝を果たした。単独トップの2敗で千秋楽を迎え、本割で1差の関脇熱海富士(23=伊勢ケ浜)に敗戦。大関霧島(30=音羽山)と3人で3敗で並び、ともえ戦での優勝決定戦で熱海富士と霧島を連破した。夏場所は全休し関脇へ陥落したが、10勝して1場所での大関復帰。大関返り咲きを決めた場所を史上初の優勝で飾った。
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今場所の安青錦は特に、心が安定していた。勝っても負けても、足が痛くても、穏やかな表情で取材に応じる。心が一切、ぶれなかった。
先場所を休場した時から、その日の出来事をノートに書き留めるようになったという。「その日やったことを書きました。振り返る時に自分に集中できる。自分の時間で、何をやったのか。やってよかったです」。これは休場明けの今場所でも続けている。書くことで頭を整理し、やるべきことを明確にする。集中力の源は、こういう行動にあるのかもしれない。
今場所は初黒星を喫した翌5日目から、取組後の帰路に着る浴衣を変えた。元横綱3代目若乃花が現役時代に作った黄色を基調とした反物を、角界関係者から譲ってもらい、今場所のために仕立てた。6日目に「3日前に届いたんです。これ、若隆景関も持っているので、着てるのを見たら何か言われるかな」と言って笑っていた。尊敬する若乃花の浴衣は、これが3着目。着始めてから7連勝し、験の良さも感じていた。
自分に向き合って心を整え、ちょっとしたことで気持ちを上げて、自分の機嫌を取る。痛みと闘いながらの心の安定が、優勝につながった。【佐々木一郎】

