〈 本日のごのへのごろく 「“マジヤベー” “食った”“知らねー” 抜け出そう」〉
アイドルやアーティストに、また他事務所や養成所でも最近はトークの講師をしているのですが、総じて言えることは、普段から言葉遣いには気をつけたいということです。ずっと気にするのは疲れるけれど、本番は楽になるし、コミュニケーションは円滑になります。そこで今回は、トーク編第32回「気をつけたい言葉遣い」です。

- 元Dream5で俳優の高野洸さん(右)のバースデーイベントで司会を務めた五戸美樹(2017年8月)
■気になる「プライベートの私」■
前回のトーク編では、メンタルの面から、自己矛盾に苦しまなくてすむよう、「プライベートの私」も「本番の私」も「どちらも私」なので、別人になる必要はないとお伝えしました。
「プライベートの私」のまま本番を迎えられないとしたら、普段気を抜いて話しているかもしれないですね。もちろん、四六時中、話す言葉全てを気にするのは大変です。アナウンサーになりたい方や、ラジオパーソナリティを目指す方だったら、24時間気をつけたほうが上達が早い、という面はありますが。
■慣れれば当たり前にはなるけれど■
絶対音感を持つ方が常に音階で聞こえるのと似ている気がします。例えば、救急車の「ピーポーパーポー」の音符がわかる、というのは、はたから見ると永遠と音程を気にしていて激しく疲労するように思えますが、絶対音感の方はよく「それが当たり前だから気にならない」と言います。アナウンサーも、日常の話し方を気にするのが至極当たり前で、テレビやラジオも、言葉選びに注目して見たり聞いたりしてしまいますが、慣れてしまえばどうってことはないです。
ただ、それを全ての方に強要するのは、違うかなと感じます。そこで提案したいのが、“使う言葉”を気にするとキリがないので、“使わないようにする言葉”を意識する、という方法です。

- J-WAVE『GROOVE LINE Z』渋谷での公開生放送で五戸がアシスタントを務めた時の様子(2017年8月)
■“使わないようにする言葉”選び■
たとえば、「ヤバイ」。若い子を中心に、良くても悪くても使ってしまう方、多いですよね。テスト勉強が進まなくて「ヤバイ」、遅刻しそうになって「ヤバイ」、好きな先輩と目が合って「ヤバイ」、ご飯が美味しくて「ヤバイ」。この使い方こそ「ヤバイ」ですねぇ。
日本語は変化が激しい言語なので、悪い意味でしか使わなかったものを、良い意味で使うようになることは多々あります。「スゴイ」も元々は「凄い」と書き、「恐ろしい」や「ぞっとする」という意味でした。「全然」も、否定以外でも使うようになりましたよね。なので、良い時に「ヤバイ」を使うのが誤用だと言いたいわけではないんです。
■「ヤバイ、言葉が出てこない…」■
気になるのは、いざ本番を迎える時、あるいは目上の人と話す時に、他に言葉が出てこないこと。「ヤバイ、じゃなくて、なんて言ったらいいんだろう」と黙ってしまって、時間が過ぎていってしまうことが懸念されます。普段から、「ヤバイ」以外の「素敵」、「魅力的」などを使いこなしたいところ。
それに、“キツい言葉”は“キツい音”になります。よく使用されるところだと、「食った」、「お前」、「スゲー」など。“キツい音”は、自分の印象を下げることになります。(この話はまた後日、詳しく書きますね)

- 秋元康さんプロデュース「劇団4ドル50セント」旗揚げ発表記者会見で司会を務めた五戸(2017年8月)
■否定的な「でも…知らないの?」■
また、コミュニケーションで気をつけたい言葉は、「でも」。「否定から入らない」ほうがいいというのはよく言われるところ。相手の話を聞いて、「でも」と話し出すと、警戒感を与えますので、たとえば、「なるほど」、「そうですね」、「確かに」などを付けて、一度受け入れるという方法があります。
さらに、「知らないの?」も気になる単語。プライドを傷つける言葉をあえて使う必要はないかなと思います。

- 「元ニッポン放送アナウンサー 五戸美樹のごのへのごろく」トーク編が電子書籍で発売されました。Kindle、kinoppy、GALAPAGOS STORE、ドコモdブック、Readerstoreほかで購入できます。税込み216円
■ちょっとした脳トレで自分磨き■
ちょっとした脳トレだと思って取り組んでいただくと、少しずつ話し方が変わり、自分自身も変わり、正のスパイラルを作っていけると思うんです。 (次回トーク編は第33回「声のお話」の予定です)
【五戸美樹】(日刊スポーツ・コム芸能コラム「第51回・元ニッポン放送アナウンサー五戸美樹のごのへのごろく」)



