NHK連続テレビ小説「まんぷく」(月~土曜、午前8時)のユニークなタイトルバック(オープニング映像)が子どもたちに大人気です。DREAMS COME TRUEの「あなたとトゥラッタッタ♪」の楽曲に合わせて、ヒロイン・福子役を演じる安藤サクラ(32)が海岸で足踏みしたり、山道を登ったり、豊かな喜怒哀楽の表情を見せています。毎日のように放送されるタイトルバックを口ずさみながら、踊る子どもが増えています。

11月上旬に行われた大阪市内での「まんぷく」関連のイベント。大型モニターにタイトルバックが流れ出すと、会場にいた子どもたちが踊り始めたそうです。「曲に合わせて、手を広げたり、足踏みしたり。すごく楽しそうでした」とNHK関係者。どうやらあのマーチ調のリズムと“福ちゃんダンス”は子どもたちの何かを呼び起こすようです。

ヒロイン福子の亡き姉・咲の夫、真一役を演じる大谷亮平(38)も生後7カ月のめいのエピソードを明かしました。11月上旬、堺市の大阪刑務所で一日刑務所長を務めたときの取材会でした。

「姉に抱っこされながら『まんぷく』を見ていると、オープニングの曲で踊るらしいんです。よく『タッタッタ……』って、言葉を発するんですけど、なんでその言葉なのかな。あの音楽になると、激しい動きになるんですよね。もしかしたらあの曲(あなたとトゥラッタッタ♪)じゃないかなと。子どもは感受性が強いので、何かを表現しているのかなと、勝手に思っています。叔父バカですね(笑い)」

11月17日、安藤は自身のインスタグラムに「まんぷく」のオープニング映像に併せてダンスを披露している写真を投稿しました。この写真に「娘も毎朝踊ってます」「2歳の娘もオープニングが始まると福ちゃんのまねするんですよ!」「9カ月の娘がこのオープニングが流れるとテレビにくぎ付けになって、うれしそうに見てます」と多くのコメントが寄せられました。やはり、“福ちゃんダンス”は子どもをトリコにしているようです。

先日、安藤を取材する機会があったので、タイトルバックのラストカットについて聞いてみました。最も印象に残る最後に海に向かって両足を開いてどっしり構え、両手を大きく広げ、海を捕まえるようなポーズ。

「海を眺めている後ろ姿を撮っていたときに、『カット!』がかかってからも、毎回あのポーズをしていたら、採用されていました(笑い)。福子の大きさ、母として、人としての大きさ、すべてを受け止める福ちゃん。なんかやりたくなっちゃっんです」

内面からわき起こってきた動きだったようです。

「両手は真っすぐに伸ばして指は全部パー。すると身体が自然と大きく開くんですよ」

タイトルバックの主な場面は、山道と海です。山道は人生の困難を、海は母性を表現しています。撮影するときにはチーフプロデューサーから海は「母性」というテーマだけを伝えられていました。まだ歌詞のついていない、出来上がったばかりの音楽を聞きながら、動きたいままに動いたそう。海では力強く足踏みをしたり、山では山肌の方に登ったり、寝そべったり。まるでヒロインの人生を豊かに表現しているようです。

「あなたとトゥラッタッタ♪」は福子の人生の「行進曲」。安藤は昨年6月に長女を出産したばかり。子どもたちに人気がある理由は、小気味よいナンバーとともに、オープニング映像からにじみ出る「母性」を感じているからかもしれません。【松浦隆司】(ニッカンスポーツ・コム/コラム「ナニワのベテラン走る~ミナミヘキタヘ」)