伝説的な音楽通販番組「音楽のある風景」が、1年ぶりに復活する。
4月からBS朝日で、毎週金曜日午前4時30分から30分番組として再開されることになった。復活第1回は4月3日。
「音楽のある風景」は02年4月2日に、日本で唯一の音楽専門の通販番組として放送が始まった。
毎回、ここでしか購入できない企画CDを紹介し、販売してきた。
商品は燈音舎とユニバーサルミュージック合同会社が中心となり、他のレコード会社も協力、連携して製作されてきた。
ジャンルは演歌、歌謡曲、フォークソング、J-POP、洋楽、ジャズ、クラシック、オールディーズとさまざま。
どれもCD5枚組前後に、懐かしい名曲などが100曲前後収録された。
「大人の歌謡曲」「夢演歌」「MY MEMORIES」「決定版 世界のムード音楽」など、数々のヒット商品を生んだ。
タレントが登場する通販番組とは違って、収録曲が映像とともに紹介された。例えばフォークソングなら60年代の街並み、演歌ならネオン街の映像が流れ、音楽と絶妙にマッチした。
一部ナレーションはあるが、番組名が「音楽のある風景」のゆえんだった。
当初は町のレコード店が減少し、「いろいろな音楽を聴きたいけど、何を聴けばいいのか、どこで入手できるか分からない」というシニア層をターゲットに、番組はスタートした。
「音楽を通じて心の癒やしを提供する」という姿勢が好評を博した。民放のBS各局で、シニア層の生活サイクルに合わせ、早朝や深夜帯に放送された。
その後、急速にネットやスマホなどデジタルで音楽を聴く時代となった。「所有する音楽」から「アクセスする音楽」となり、パッケージ(CD等)の価値は大きく低下した。
それでも同番組は「シニア層を中心にテレビを見て、気軽に電話をすれば、聴きたい商品(CD)が手にできる」というシンプルさにこだわってきた。
しかし、時代の波にはあらがえず、昨年4月1日の放送をもって、23年間の歴史に終止符を打った。
それから1年。広告代理店業を中核に多角的に事業を展開する「フェルマータ」(本社・福岡)が、「音楽のある風景」の事業を継承。番組を復活させた。
同社は長年、同番組のコールセンター業務や、カタログ製作などにかかわってきた経験を持つ。
代表取締役の江上陽一氏は「音楽は、ふとした瞬間に当時の景色や大切な人の笑顔、その時の空気感までを鮮やかに蘇らせてくれます。『音楽のある風景』が築き上げた『お客様の人生に彩りを添える』という情熱のバトンを受け継ぐことに、今、身の引き締まる思いと大きな喜びを感じております」とコメントしている。
番組内容は提供クレジットなど一部変わるが、基本的には再放送となる。4月3日の復活第1弾は「青春歌白書 FOLK&J-POP BEST COLLECTION」(CD5枚組90曲収録、日本コロムビア企画製作)。
同番組を愛した音楽愛好家には朗報であり、CDの存在感を再認識させる復活になればと願う。【笹森文彦】





