競争激しいアイドル界に異色の存在が現れた。相撲大好きという異色のタレント、山根千佳(21)だ。ライバルとの違いを際立たせるキャラクター付けかと思いきや、とんでもない。本物だった。

 都内にある所属事務所で6日、取材会が開かれた。「おかみさん」になりきってオリジナルのちゃんこ鍋を振る舞いながら、というこだわりよう。質疑応答が始まると、その口から次々と出てくる相撲の専門用語に正直圧倒された。

 聞けば、場所ごとに当たり前のように番付予想もする。地方巡業だって追いかける。大相撲だけでは満足できず、学生相撲も見学する…。稀勢の里の横綱昇進で早くも盛り上がりを感じさせる春場所を前に相撲愛をたっぷり語った。

 幼い頃は、鳥取県で育った。相撲中継は家族で見ていた。気がつけば相撲好きになっていた。

 ちゃんこ鍋の説明も興味深かった。「白星のカマボコが15個乗ってるんですけど、稀勢の里関には、全勝優勝で春場所を飾ってほしいので」。聞けば、稀勢の里が大関の頃から「白鵬の次に強い」と注目していたという。

 場所中は番付にかかわらず、中継を録画して全ての取り組みをチェックする。地上波だけでは見られない幕下の取り組みも見逃さない。「BSからずっと録画しているので、録画の残量が場所中は大変なことになります(笑い)」。1日5時間を15日間続ける。全て見るのに、約3日間を費やす熱量に驚かされる。

 映像だけで満足などしない。両国国技館をはじめ、「現場」にも足を運ぶ。「半分は行こうと心掛けています。(1場所が)15日間ある中で、勝ち越しはしようって決めていて(笑い)」。とはいえスケジュールの都合などもあり「中に入らず、(お相撲さんを)外で出待ちしたり、入り待ちしたりする日も入れてですけど。サインをいただいたり、写真を撮っていただいたり」。

 相撲を見るためなら「遠征」もする。「あとは地方巡業ですね。横綱と大関は(国技館の場合は)地下の駐車場から帰っちゃって、基本的にサインはもらえないので、もらうために巡業に行きます」。熱すぎる。

 推しメンならぬ推し力士もいる。「毎場所変わるんですよ。今までは、ずっと照ノ富士関が大好きで、十両くらいから応援していたんですけど、大関になって、みんなのものになった感があって。アイドルと一緒なんですよ。推しメン決めて、その人が紅白に出たら『まあいいか』ってなるみたいなイメージをしていただければ分かりやすいと思うんですけど(笑い)」。ちなみに春場所の推しは、小結の御嶽海だそう。

 相撲好き女子(=スー女)の増加は、自分のような「ガチファン」としても大歓迎という。「めっちゃうれしいです。アイドルの友達を誘って国技館に応援に行ったり、(スー女の)市川紗椰さんと一緒にプライベートで観戦したり。お相撲仲間でLINE(ライン)があって、『今日来てる? どこにいる?』って連絡を取り合って、一緒にご飯に行って、相撲トークしています。メンバー? 4人しかいないんです(笑い)」。

 取材会で楽しそうにちゃんこ鍋を振る舞う姿を見ていると、将来はおかみさん希望なのかと思えてくる。「おかみさんってなると、すごく大変だと思うんですよ。弟子を預かって、みんなのお母さん代わりにならなきゃいけないじゃないですか。私にはまだまだ荷が重いなって」。さすがに事情も詳しい。それでも「大変だろうなって思っちゃうんですけど、なれるもんなら、ねえ?」と、まんざらでもない様子。この日一番の笑顔を見せた。

 群雄割拠のアイドルの世界。マニアぶりもここまでくれば確かな武器になる。今後も要注目の存在と言っていい。【杉山理紗】