俳優舘ひろし(68)が4日、東京・銀座の東映本社で、第42回モントリオール世界映画祭での最優秀男優賞受賞の会見を行った。主演映画「終わった人」(中田秀夫監督)が評価されての受賞で、舘は「野球で言ったら、バットを出したらホームランになっちゃった」と、信じられない思いを語った。

舘は「本当にありがとうございます。信じてないのは自分の芝居なので、最優秀男優賞をいただけるなんて思ったことが1度もないので、ホントなのかな? どうなってるのかな? というのが正直な感想です」と、苦笑いした。同映画祭に出品したことについても「なかなか勇気あるな、そんなとこ出しちゃって、と思っていた」と、話して笑わせた。

現在、リハビリ中の渡哲也(76)からは電話で祝福を受けた。「『おい、お前良かったな』と。いつも渡には、芝居がうまくなるなと言われていたので、怒られるのかと思ったら『おめでとう』と言われました。うれしかったです。渡に対しては感謝でいっぱいです」。また、石原裕次郎さんに対しても「映画で賞を取ったと聞いたら喜んでくれるだろうな」と思いをはせた。

舘の受賞を記念し、9月8日から1週間、東京・銀座の丸の内TOEIで、「終わった人」の凱旋(がいせん)上映を行うことが決まった。上映は午前9時20分の回。15日以降も予定しており、詳細は今後発表する。

モントリオール世界映画祭は、北米最大級の映画祭。俳優部門では、高倉健さんが、99年「鉄道員(ぽっぽや)」で最優秀男優賞を受賞している。