歌ネタ日本一を決める第6回「歌ネタ王決定戦2018」(MBS、関西ローカル)の決勝が19日、生放送で行われ、よしもと広島所属の結成9年目コンビ「メンバー」が初出場初優勝を果たした。

漫才登場時の鳴り終わらない出ばやしにのせて、ラップ調の掛け合いをするリズムネタを披露。映画「アナと雪の女王」の劇中で歌われるアナとエルサの掛け合いからヒントを得たという歌ネタで、ヒロミや藤井隆ら審査員をうならせ、2位のどぶろっく以下を退け大仕事をやってのけた。

丸刈りが特徴的なボケ担当、山口提樹(31=やまぐちだいじゅ)と千鳥・ノブ似のツッコミ担当、潮圭太(31=うしおけいた)は島根県益田市出身で小学からの同級生。06年に一度、吉本総合芸能学院(NSC)大阪校に2人で入学するも、「楽しくて楽しくて都会にのまれた。マクドナルドでテンションが上がった」と大阪の魅力に負け、半年で不登校状態になったという。

そのまま大阪でギャンブルや酒に溺れていたという2人は、10年に一念発起。たまたま見つけたという吉本広島のオーディションを受け、「メンバー」として再出発した。

現在の芸人活動は、月に8~10日、定期ライブや営業などを行っているといい、山口はネットカフェ、潮は飲食店の夜勤帯で、それぞれ週5回アルバイトに入り、生計を立てているという。先月の芸人としてのギャラは、2万8000円とも明かした。

無名コンビの大金星。山口は「うれしい。地方吉本(所属の我々)を決勝に上げてくれた。ちゃんと見てくれてたんだ」と喜び、優勝賞金300万円で「任天堂スイッチを買いたい」と満面の笑み。潮も喜びを一通り語った後、今大会の予選などでバイトのシフトをたくさん変わってもらっていると話し、「(優勝してバイト仲間に)白い目で見られるのが怖い」と苦笑いを浮かべた。

今後は、単独ライブで全国を回れるようなコンビになりたいと話した2人。披露した歌ネタの呼び方については「誰か決めて」と命名を呼びかける場面も。

同コンビの優勝により、放送を予定していなかった系列局の中国放送が放送(10月1日深夜)を決めるなど、早くも反響が出ている。2人は「バイトが辞められるくらい仕事が入れば」と期待しつつも、「明後日にはバイトのシフトが入っている」と笑わせていた。