「娼年」「不能犯」で松坂桃李(30)が主演男優賞に輝いた。12年の石原裕次郎新人賞受賞から、6年間の成長を見せた。

木村拓哉、岡田准一、高良健吾に続く4人目のダブル受賞。「不能犯」ではマインドコントロールで殺人事件を起こすダークヒーローを、R-18指定の「娼年」では“男性版娼婦”役で、究極の愛と性を演じきった。

俳優生活10年目の松坂は「石原裕次郎新人賞を取った時に、助演女優賞の樹木希林さんに『若いうちに賞なんか取るもんじゃない』って言われたんです(笑い)。背筋がピッと伸びる思いをしましたが、賞金100万円をいただいたら『よかったねー、あんた』とすごく喜んでくれた表情が忘れられません」と振り返った。そして「この賞は『松坂、もっと頑張れ』という激励。もっと頑張っていきます」と続けた。

昨年の受賞者で事務所の後輩の菅田将暉(25)から「先輩、カッコイイ!」と盾を渡された。16年の舞台「娼年」からタッグを組む三浦大輔監督(43)から「共犯関係でやってきた。R-18でぬれ場も多い。松坂君の本気と覚悟と魂の演技をちゃんと評してくださった」と花束を渡されると笑顔を見せた。

「娼年」はセックスシーンの連続で、文字通り裸一貫の演技を見せた。「舞台では伝えきれないものが映像になって本当に完成した。20代の実りをしっかり糧にして、30代にしっかり向き合って、40代へ向けての仕事をしていきたい」とさらなる飛躍を誓った。【小谷野俊哉】