闇営業問題で謹慎処分中だったお笑いコンビ、雨上がり決死隊宮迫博之(49)の契約解消が19日、所属の吉本興業から発表された。

先月7日に雑誌「FRIDAY」が報じたことで発覚した闇営業問題で、宮迫自身が謝罪会見をして復帰への道筋をつける方法が模索されたが、自ら契約解消、引退する道を選択した。

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吉本興業は19日午後1時、報道各社に同日付で宮迫とのマネジメント契約を解消したことをファクスで報告した。「諸般の事情を考慮し、今後の宮迫博之とのマネジメントの継続に重大な支障が生じたと判断し、上記決定に至りました」と記されていた。

会見は行わない。前夜まで、宮迫とロンドンブーツ1号2号田村亮(47)が謝罪会見をする準備が進められていた。それが、宮迫と「金塊強奪事件」の主犯格との酒席を、新たに「FRIDAY」が報じることが分かった18日夜に急転。関係者は「前夜まで宮迫と亮が謝罪会見をするために打ち合わせをする予定でしたが、宮迫が打ち合わせを拒否して、契約解消の道を選んで、この日の発表になりました」と説明した。

吉本興業は闇営業が報じられる前の、5月中頃から関わった芸人たちに聞き取り調査を進めてきた。宮迫に「謝罪会見」「無期限謹慎」「契約解消」などの選択肢を提案。収まらない騒動に、最終的に「宮迫本人が契約解消しかないと思い至った」という。吉本は、宮迫の意向を受けて、19日朝に弁護士を通じて宮迫に「契約解消」を通告。宮迫も納得して受け入れた。相方の蛍原にも宮迫への処遇を伝えた。吉本は、雨上がり決死隊のコンビ名の継続について「本人たちに任せる」としている。

宮迫は14年12月、都内ホテルで行われた、振り込め詐欺グループの忘年会に出席。仲介したカラテカ入江慎也(42)が、6月4日に吉本興業から契約解消された。宮迫は当初、ツイッターなどで、相手が反社会的勢力だとは知らず、謝礼も受け取っていなかったなどと説明していた。その後、謝礼を受け取っていたことが判明し、うそをついていたことから、事務所側は先月24日に当面の間の謹慎処分としていた。

吉本は、宮迫と亮の謝罪会見を開いて、10万円以下の謝礼をもらっていた後輩芸人の復帰への道筋をつけようとしていた。だが、宮迫の新たな疑惑が発覚して白紙に戻った。吉本は、再度の話し合いを宮迫に求めたが応じることはなく、契約解消が決まった。

関係者は「金塊強奪犯との件が新たに報じられることで宮迫の心が折れた。このタイミングに会見しても、事態収拾につながらないどころか、かえって火だるまになる恐れもあると、芸能界から身を引くことを決意した」と説明した。

高視聴率の人気番組のレギュラーをいくつも持つ、人気芸人が事件の真相を語ることなく、ひっそりと自ら幕を引いた。