米歌手ビリー・アイリッシュ(19)が21日、中国人を侮辱する「チンク」(Chink)という言葉を使ったり、アジア系のアクセントをまねて話す過去の動画を編集したものがTikTokに投稿され、人種差別疑惑が浮上していたことを受けてインスタグラムのストーリーで謝罪コメントを発表した。

動画が公開されて以降、「アジア人への差別だ」との批判が起こり、ボイコット運動に発展するなど炎上する事態となっていた。

「この件に関して多くのファンから説明を求められた」というアイリッシュは、「本来の自分とは違う姿のレッテルを貼られていることを釈明したい」と言及。問題の動画は13歳か14歳の頃に楽曲に登場する言葉を口ずさんでいるもので、当時はそれが差別用語だとは理解していなかったと説明。その上で、「あぜんとし、恥ずかしく思うと同時にそれを口にしてしまったことに吐き気を覚える」と語り、当時の年齢や無知さは言い訳にはならないと謝罪した。また、差別的であると問題視されたアクセントについても、「意味のない言葉をしゃべっている私の映像があるが、それは子供の頃から家族や友人、ペットと話す時にふざけてやっていたもので、特定の言語やアクセント、文化をまねたものではない」と説明。誰かを傷つけるつもりなど全くなかったと話し、聞いた人が傷つくような内容だと悪くとらえられてしまったことに自分自身もショックを受けていると明かした。

昨夏には黒人のジョージ・フロイドさんが白人の警察官に殺害された事件に抗議するためのデモにも参加するなど人種差別反対や平等を訴えてきたアイリッシュだけに、投稿を見て失望したファンも多く、特にアジア系のファンからは謝罪を求める声も多く出ていた。「私たちは会話し、人の話を聞き、学ばなければいけない。みんなの声は届いています」と締めくくり、これからも自分のプラットフォームを多様性を受け入れ、優しさや寛容、公平、平等のために闘う場として使っていきたいとしている。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)