「入り口はどこでもいいの。ただ、元歌はこの人なんだっていうところでいいわけ」。芸能に異動して初のインタビューとなった、歌手岩崎宏美(62)の言葉をふと、思い出した。

近年、オーディション番組が多く放送されている。昨年は、9人組ガールズグループ、NiziUが誕生した「Nizi Project」が放送され、23年3月にデビュー予定の、同ボーイズグループプロジェクト「-Season2」も控えている。現在で言えば、日本、韓国、中国の3カ国、計99人から、新たなグローバルガールズグループをデビューさせるプロジェクト「Girls Planet999:少女祭典」などが人気を博している。

オーディション番組では、番組オリジナルソングの他に、審査過程において「課題曲」が用意されることが多い。「Nizi-」では、事務所の“先輩”にあたる「TWICE」「ITZY」をはじめとした、幅広いジャンルの楽曲が用意された。

長くなったが、筆者が冒頭の岩崎の発言を思い出したのは、オーディション番組で参加者のパフォーマンスを見た後に、“本家”の扉を開けたときだ。これまで聞いたことがなかったグループなどの楽曲に、オーディション番組を通して出会うことが増えてきた。

岩崎にインタビュー時、「あなたの年齢だと、私の歌っていうより、(岩崎のモノマネをする)コロッケさんの歌っていう印象が強いでしょう」と聞かれた。筆者は、怒られる覚悟で「入り口は、高橋真麻さんかもしれません」と回答した。これに岩崎は「入り口はどこでもいいの」と、ニッコリほほ笑んだ。

そして「私だって洋楽の入り口は、ジャクソン5だった。マイケル・ジャクソンさんが同い年で、小学5年から大ファンだったの。中学のころは結婚したいくらい大好きで、マイケルさんの歌はほとんどきいているんだけど、元をただすとそれがジェームス・ブラウンさんの歌だったり、キャロル・キングさんだったり、『えっ!! マイケルの歌じゃないんだ!!』っていうのばっかりだったから(笑い)。でも、それでいいんです」。

“本家”と“カバー”。どちらが良い、などと言う話ではなく、元の歌手にもたどり着いてくれたら、それでいい。岩崎の言葉を思い返すと同時に、オーディション番組がもつ、もう1つの側面に気付けた気がした。【佐藤勝亮】