夢グループの石田重廣社長(64)が8日、都内の本社で念願の歌手デビュー発表会を行った。

デビュー曲は歌手保科有里とのデュエット曲「夢と…未来へ」で、石田社長が作詞し、保科がペンネーム「YURI」で作曲した。デュオ名は「夢 石田社長と有里」。6日に自社レーベルの夢レコードから発売された。

発表会では、保科とデビュー曲を披露した。悲しいこと、つらいことはあるけれど、1度きりの人生。夢を持ってもっともっと幸せになりたい、と歌う。石田社長の歌唱は素人の域を出ないが、やさしいメロディーと歌詞がほのぼのとした気分にさせてくれる。

石田社長は「夢グループでは年間600以上のコンサートをやって、昭和の歌を聴いていただいています。でも自分のモットーは現在と未来をつなぐことで、そういう歌がないと思い、自分でそういう歌を歌いたいと保科さんに相談して作りました」と話した。歌詞は昨年亡くなった父親を思い作詞した。「父親に『すごいな』と言われたくて生きてきたのに、これから誰のために何のために生きればいいのかと思った。でも目をつぶれば、過去も将来も見える。将来は少ししか見えないこともあるけど、目をつぶれば(みんな)何かが見える。そんな思いで書きました」と話した。

石田社長は保科とともに自社の通信販売のテレビCMに約5年前から登場。独特の口調と存在感で人気者となった。「社長の愛人?」とうわさされる保科が「社長~、もっと安くしてください~」と甘えるように願うと、一気にプライスダウンするのが定番だ。それを意識してか「安くして~じゃないですが、(カップリング曲も含め)3曲とカラオケ3曲の6曲入りで1000円です。通販では安かろう、悪かろうで文句ばかり言われたこともありますが、CDはいいオケ作り(カラオケ)にこだわりました。みなさんに気持ち良く歌ってほしいので。ものまねの方々にもまねて歌っていただきたいです」と話した。

新人歌手として賞レースの対象にもなるが、「実は先日、社員(小牧勇太)を歌手デビューさせたばかりで、応援してくださいってお願いしました。それがライバルになっちゃった。僕は上司ですし、僕の方が人生短いから、僕を応援してください」と笑わせた。

目標は通販戦略も駆使して、10万枚の売り上げ枚数を目指す。「ただし1人に何枚も買っていただくのではなく、1人1枚で十分。10万人に買っていただきます。実現します」と自信満々に話した。

先月末に、夢グループがマネジメントしていた葛城ユキさんが腹膜がんのため73歳で亡くなった。亡くなる約5時間前に葛城さんから電話がかかって来た際、新曲をアカペラで歌って聴かせたという。「ステージで葛城さんに『ボヘミアン』を歌ってもらい、その後で僕が歌いたかった。葛城さんに『くれぐれも身体に注意してください』と言われた。死を悟っていたのに、よくそんな気遣いを…」としんみりと話した。

中学3年生の時に、歌手にあこがれ日本テレビ系のオーディション番組「スター誕生!」に出演した経験も持つ。その時は即不合格で、それ以来、歌は鼻歌以外封印してきたという。まさに半世紀を経ての夢の実現となった。デビュー30周年で、記念DVDも発売する歌手の先輩の保科は「社長の夢のお手伝いをできればと思います。夢はこのデュエット曲が小学校や中学校の教科書に載って、合唱で歌ってもらうことです」と願った。石田社長の歌唱力については「味があるというか…」と言葉を濁したが、石田社長は「歌は上手とかではなく、表現が大事ですから」とアピールしていた。【笹森文彦】