東京国際映画祭が24日、開幕し、35回の歴史で初めて東京宝塚劇場でオープニングセレモニーが行われた。
嵐の二宮和也(39)がオープニング作品「ラーゲリより愛を込めて」(瀬々敬久監督、12月9日公開)の主演として登壇。「オープニング作品に選出いただき、ありがとうございます。僕らは、オープニングに見合うような作品が出来たなと自負しておりますので、ぜひ見ていただければと思います」と胸を張った。
映画は、どんな存在かと聞かれると「もちろん、作品もそうですし、役者の人の技術や撮影の技術もそうだし、どんどん前に進んでいっているエンターテインメントの1つ」と評した。その上で「いろいろな国の映画がありますけど、日本映画を見ると、やっぱり日本の映画っていうのは良いなと回顧できる、面白いエンターテインメントと思っているので。いくら最新の技術を目の当たりにしても、やっぱり日本の人たちが作っているというふうに見ると、いいなぁ…日本の映画は。やはり、これだよなと。日本の顔の1つになっているエンターテインメントだと思う」と熱っぽく語った。
「ラーゲリより愛を込めて」は、第2次大戦後の1945年(昭20)の、零下40度の厳冬のシベリアが舞台。わずかな食料での過酷な労働が続く強制収容所(ラーゲリ)で、山本幡男(二宮)は「生きる希望を捨ててはいけません。帰国(ダモイ)の日は必ずやって来ます」と絶望する捕虜たちに訴え続けた。終戦から8年が経ち、厳しい検閲を潜り抜けた妻からのはがきには「あなたの帰りを待っています」と書かれていたが、山本の体は病魔に侵され、みるみる衰えていく。愛する妻との再会を決して諦めない山本を慕うラーゲリの仲間たちは、厳しい監視下にありながらも、山本の思いをかなえようと思いもよらぬ行動に出る物語。
二宮は作品で伝えたいことを聞かれると「今回の映画は戦争の後に、もたらした後遺症を描いた話。そこも、そうなんだけども、人間らしさというか、人間の全ての感情が詰まっているんじゃないかと思っていまして…そこを僕は伝えたい」と語った。その上で「つらくて、苦しくて、しんどいのが続くんですけど…だからこそ、その先にある希望だったり、愛だったり日本人の絆が、より刺さるんじゃないか。多くの方に見ていただきたい」と訴えた。瀬々監督は「実際にウクライナで戦争が起こっている状況がある。平和が当たり前だと思っていたところもあったと思う。そこで、どうやって今の状況を生きていけばいいか? 日本の72年前から始まった物語、過去を捉え直すことで今を捉え直せればと思って作った。遠い世界のことじゃないと思って見ていただきたい」と強調した。
二宮は、コロナ禍を乗り越えて東京国際映画祭映画祭として3年ぶり、そして日比谷に会場を移して初のレッドカーペットを歩いた感想を聞かれると「緊張しました」と即答。その上で「僕らは最後に歩かせていただいたんですけど…華やかといいますか大所帯で歩くのかなと勝手に思って、現場に来たら…2人でしたね。ちょっと…皆さんのご想像と、違う最後になってしまったんじゃないかという気持ちがあった」と意外に少ない大トリになったと自ら突っ込み、瀬々監督の顔を見て笑った。
その上で「レッドカーペットが出来て、沿道で見に来てくれた方々に声をかけていただいて、その反対側では取材を受けるという光景が3年ぶりにやっているんだなという実感が、ふつふつと…こみあげるものがあった。本当に、うれしかった」と感慨深げに語った。



