新聞社に務めているので、紙媒体の良さや意義について考える瞬間は日常の中でたびたびある。
先日、SUPER EIGHT大倉忠義(40)が編集長を務め、新たに誕生したエンタメマガジン『Zessei』創刊記念記者会見が行われた。インターネットの普及、さまざまなコンテンツのデジタル化が進む時世の中、大倉があえて紙媒体での発行を選択したことに会見でも関心が寄せられた。
大倉自身が紙媒体に慣れ親しんだ「アナログの世代」であることも、選択した理由の1つ。「発売を楽しみにして手に取ってワクワクしていた時の記憶が良い経験として残っているので、その経験を今の世の中に残すことができないかなと思いました」。
注文すれば翌日に届いてしまうネット通販の便利さにも助けられているが、注文して自宅に届くのを待ったり、指折り数えるようにして発売日を待ち、本屋に足を運ぶ。愛ある“手間”をかけるのも楽しみの1つだったなとその言葉に記者自身も懐かしくなった。
また別の日、Travis Japan川島如恵留(30)にインタビューする機会に恵まれた。川島がかばんから取り出して見せてくれた主演舞台の台本は、厚みのある紙のもの。ところ狭しにいろいろな書き込みがされていた。
話の流れで、紙派か電子派か聞いてみた。川島は「どちらにも良さはありますけど、紙媒体の良さはありますよね」とし、その良さについて「ちょっとネガティブな発想になるかも知れないですけど、痛みを知れることですね」と表現した。「その痛みで親指で切ったら『あれで切ったな』と思い出せたり、ポップコーンのニオイで映画を思い出すのと同じで、何か痛みを感じた時に本だったり新聞とかがあると、紙の束を思い出せるのがすてきだなって。物質的喜びというのが紙には詰まっているなって思います」と言葉にした。 紙をめくったり、持ち運んだり、手間はかかる。行動と記憶が連動し、思い出が生まれていくのも1つの良さ。手に取りたいと思ってもらえるような商品作りをしていきたいと、改めて考えた。【望月千草】



