SUPER EIGHT丸山隆平(42)が、映画「名無し」(22日公開)で存在感を放っている。
名前のないシリアルキラーを巡る物語で、「名無し」を演じる主演の佐藤二朗(57)が原作、脚本を兼ねている。丸山が演じるのは「過去パート」で少年時代の名無しに関わる警察官役だ。少年の特異な個性に気付きながらも優しく接し、やがてはその将来に関わるキーマンとなる。
劇中では子役、そして動物との絡みがほとんどだった。いいところを持っていかれてしまうと言われる「2大要素」に囲まれながら、「家族持ちの警察官のさりげない良心」という微妙な立ち位置をしっかり印象づけている。近年めきめき評価を上げているブレない演技は、メガホンを取った城定秀夫監督の信頼も得たようだ。
本人は「今回は監督が子役と動物に目がいっていたからなんでしょうけど、僕については割と任せてくださった感じがありました」と撮影を振り返った。この安定感とブレない姿勢は、SUPER EIGHTで担当してきたベースというパートと関係があるのではないか。先日インタビューしながら、そんな風に思った。
丸山がベースを始めたのは01年だから、四半世紀の付き合いになる。バンド形式の関西Jr.内ユニット、V・WESTが結成されることになった時、集められた5人が弾ける楽器はそろってギターだった。そこで当時の音楽プロデューサーは「背が高くて立ち姿が映える」という理由で丸山をベースに指名したという。
「自分からなろうと思わなかったというのは、実はベーシストあるあるなんですよ。前には出ずに土台のような存在ですから」と当時の心境を明かす。
なかなかベースの楽しみを見いだせなかったが、15年に始まった「関ジャム 完全燃SOW」(現・EIGHT-JAM=テレビ朝日系)でプロのミュージシャンと接するようになってベース愛に目覚めた。
腕も上がり、今ではプロのベーシストからの評価も高い。ベースの所有本数は60~70本にのぼり、親交のあるOKAMOTO’Sのハマ・オカモトは「丸山ミュージアム」と呼んでいる。東京事変の亀田誠治は丸山の長い指を「ベース指」と表しているという。
「今から思えば、ベースの方から僕を選んでくれた気がします。映画やドラマでもきっと『役』の方に選ばれているんだ、そんな風に思うようにしています」
バンドの土台として後ろから支えて25年。じわじわと力をつけた演奏と演技はしっかりとリンクしているように思う。【相原斎】



