TBS系「news23」でメインキャスターを務めるフリーアナウンサー小川彩佳は2日夜の放送で、政府が6月30日に閣議決定した皇室典範などの改正案の内容に野党が反発し与野党の対立が深まっていることを伝えた。
その上で、天皇の地位は「国民の総意」に基づくと定めた憲法第一条に言及しながら、「今の議論の進め方からは、その姿勢が感じられないように思います」とカメラを見すえて語り、政府による改正案の議論の進め方に疑問を呈した。
政府は6月30日の臨時閣議で、皇族数確保策をめぐり、さきに衆参両院の「立法府の総意」とされた、女性皇族が婚姻後も皇族の身分を保持することと、旧11宮家の男系男子の養子縁組をいずれも可能とした。一方、これに加えて、養子の子孫が男性だった場合、皇位継承資格を与えるとする内容も含め、「男系男子」の継承を維持する方針を明確にした。政府は、改正案の今国会での成立を目指しているが、皇位の継承策をめぐっては各会派の意見が割れ、国会の協議では結論が先送りされた経緯があったことから、野党からは「だまし討ちのようだ」と、政府の閣議決定内容に批判が噴出。本来、与野党で合意していた「せいひつ(静謐=静かで穏やかな、の意味)な環境での議論」の環境が整わず、審議が混乱する可能性が出ている。
この日の放送では、今の国会での皇室典範改正に強い意欲を持つ自民党の麻生太郎副総裁の動向を伝えたほか、そもそも議員定数削減法案など2法案をめぐる与党の国会運営に反発したすべての野党が審議に応じておらず、国会がストップしている状況にも触れた。2日、自民党は皇室典範改正案の審議を最優先することを中道改革連合に提案し、その間は2法案の審議を「中断」すると伝えたが、審議の「中止」を求める野党との間では依然、隔たりがあり、国会正常化への見通しは立っていないのが実情だ。
「会期末まであと2週間あまり。国民の理解が得られる議論が行われるのでしょうか」と結ばれたVTRの後、カメラは小川だけを映した。小川はカメラを見すえながら、「皇室は、長い年月をかけて国民との信頼関係をはぐくんできた存在です。そして、憲法には天皇の地位は国民の総意に基づく、とあります。だからこそ、国民の理解と納得を積み重ねていくことが、何より大切なはずです」とした上で、「今の議論の進め方からは、その姿勢が感じられないように思います」と、コメントした。



