昨年、芸能事務所オスカープロモーション開催のオーディション「なつキミプロジェクト」で初代グランプリに輝いた横須賀京香(12)が、初舞台「めぐみへの誓い-奪還-」(10月7日初日、新潟・村上市民ふれあいセンター大ホールなど全国6カ所6公演)に挑戦する。北朝鮮拉致問題を風化させないため、政府の取り組みとして繰り返し上演されてきた無料の啓発劇で、横田めぐみさんを演じる。

めぐみさんの失踪当時と同じ中学1年生。連れ去られ、船の中で「お母さん!」と泣き叫ぶ。見る者がつらくなるシーンも任される。「年齢は同じだけど、経験がないから難しい。(拉致問題を知るために)本を読んだりしました」と話す。「想像を絶するくらい怖くて寂しいことなんじゃないかな」と巡らせた。

他作品のオーディションでの演技が関係者の目に留まり、抜擢(ばってき)された。前回上演時の映像を見た感想は「色で言うと黒」だった。幼少期からバレエを習い、人前でパフォーマンスする機会はあった。「でも声を出す表現は初めて。撮影なら暗いお芝居は声を小さくするけど、舞台は大きい声を出さないといけない。難しそう」。不安もあるが「経験したことがないことをできるのは楽しみ」。清らかさと聡明(そうめい)さを併せ持つ。

実際に起きたことを実名で描く。ドキュメンタリーではないが、結末が用意されているエンタメでもなく、問題提起がテーマでもある。20年に亡くなっためぐみさんの父滋さんも過去、花を持って稽古場を訪れるなど、大切にしていた作品だった。横須賀は「たくさんの人に見てほしい。拉致問題が分からない人にも見てもらいたいです。そういうのがなくなったらいい」。今しかない中1の視点で、体現する。【鎌田良美】

◆横須賀京香(よこすか・きょうか)2013年(平25)10月30日生まれ、茨城県出身。24年に「明治おいしい牛乳」のCMで上戸彩と共演。25年にオスカープロモーションが開催した次世代スター発掘大型オーディション「なつキミプロジェクト」で、約1・5万人の応募から初代グランプリ。26年5月、初主演の縦型ショートドラマ「青春、暴走中。」が配信された。153センチ。