米国のお騒がせラッパー、カニエ・ウェスト(49)が今秋にロシアで開催予定の公演の実施をめぐって、スタジアム側と興行主が対立する騒ぎとなっている。
反ユダヤ主義的な言動などを理由に英国政府から入国を拒否され、7月に出演予定だった音楽フェスティバルが中止に追い込まれるなど、欧州公演が相次いで中止となって物議を醸しているウェストは、10月10、11日にロシア・サンクトペテルブルクのガスプロム・アリーナで大規模スタジアム公演を行うことが発表されていた。
チケット価格は9000ルーブルからもっとも高額な席で16万ルーブルで、ロシアの国営通信社タス通信によると、最安値のチケットは1時間で完売したという。しかし、公演開催の発表からわずか10日で、スタジアム側が突如「契約上の理由により公演の開催は不可能」であるとして、公演は行われないと発表。スタジアムを貸し出す契約を一切締結していないと主張している。
これに対し、プロモーター側はニュースでこの発表を知って驚いたとして「現時点で公演は中止されていない」と述べて反論している。
同アリーナは、サッカーのFCゼニト・サンクトペテルブルクの本拠地。最大収容人数は8万人を超える規模で、ロシアで公演を行う西側諸国のアーティストとしては最大級の公演になると伝えられている。
また予定通り実施されれば、22年2月にロシアがウクライナへの全面侵攻を開始して以来、同国で公演を行う最も有名な国際的音楽スターの一人となる見通しだった。
ウェストの公演を巡っては「公共の安全と治安上の懸念」を理由にフランスやイタリア、ポーランドで予定していた公演が相次いで中止となっている一方、5月30日にトルコのイスタンブールで行われた公演では11万8000人を集客したと伝えられており、カザフスタンでの公演も完売する盛況だったという。(千歳香奈子)



