トロント映画祭(カナダ)唯一のコンペティション部門・プラットフォーム部門のオープニング作品に日本映画で初めて選ばれた、西川美和監督(52)5年ぶりの新作映画「わたしの知らない子どもたち」(10月16日公開)の公開直前イベントが5日、東京・新宿ピカデリーで行われた。
役所広司(70)は、主演の小八重葵美(13)から「チャーミング」と評されたが、共演の岡田准一(45)が、役を演じる上でたばこを吸っているのを見た小八重が「格好良い」と言ったのを見て「俺も吸っていたよ」と言ったものの「無視された」と振り返り、笑った。
「わたしの知らない子どもたち」は、西川監督が原案・脚本・監督を務めたオリジナル作品。小八重が演じた戦争で家族と日常を奪われた12歳の少女・茅野琴子が、生き延びるために自らの性別を隠し“少年”として生きることを選んだ物語。役所はのり漁師・山井甚平、岡田は戦災孤児となって路上で暮らす子どもたちに、列車内で新聞売りなど、生き延びるための仕事を与え、束ねる新興ヤクザの組長・菊沢徹を、それぞれ演じた。
トークの中で「葵美ちゃんだけが知っている~さん」と題した質問コーナーが設けられ、役所は小八重から「チャーミング」と評された。その心を問われた小八重から「取材、受けている時に、ツッコんで盛り上げてくれる。『チャーミング』って、どんな意味ですか?」と聞かれると、役所は「俺そのものだよ」と言い、笑った。
この日は、琴子が疎開した学校の教師・曽根文美子役の二階堂ふみ(32)、孤児たちの救済施設の館長・鷹間乃生役の吉田羊、新聞記者・諸積京一郎役の坂東龍汰(29)、琴子の父で音楽家の孝一役の竹野内豊(55)、音楽を担当し、映画に初出演もした音楽家の原摩利彦氏(43)も登壇した。
◆「わたしの知らない子どもたち」 「わたしの知らない子どもたち」は、西川監督が原案・脚本・監督を務めたオリジナル作品。戦争で家族と日常を奪われた12歳の少女・茅野琴子(小八重葵美)は、生き延びるために自らの性別を隠し“少年”として生きることを選んだ。進駐軍相手の慰安施設や路上売春が広がる時代の中で、少女であること自体が危険となる現実から逃れるための決断だったが、音楽家の父孝一(竹野内豊)のもとで穏やかに暮らしていた琴子の人生は、敗戦によって一変し「自分自身を手放す」という過酷な選択を迫られる。一方、かつて琴子が疎開した学校の教師・曽根文美子(二階堂ふみ)も、戦時中は軍国主義教育に加担していた側だったが、敗戦によって信念も立場も失い、過去の責任と向き合いながら生きることを余儀なくされていた。



