終戦から81年となった15日、政府主催の全国戦没者追悼式が日本武道館で開かれた。参列した遺族らは先の大戦の犠牲者約310万人を悼み、平和を願った。高市早苗首相は就任後初の式辞で「反省」には触れなかった。参列意向を示した遺族のうち戦後生まれは過去最多。国際情勢が混迷し、国内で武器輸出解禁など戦後の安全保障政策からの転換が進む中、惨禍の記憶と教訓の継承の在り方が問われている。
高市首相は式辞で「戦争の惨禍を二度と繰り返させない。この決然たる誓いを世代を超えて継承し、貫いていく」と強調。石破茂前首相が昨年、民主党政権以来13年ぶりに盛り込んだ「反省」は述べず、2013年以降の安倍晋三元首相らと同様にアジア諸国への加害責任も言及しなかった。
正午の時報に合わせて全員が黙とう。天皇陛下はお言葉で「戦中・戦後の苦難を今後とも語り継ぎ」という昨年新たに加えた一節とともに「将来にわたって平和と人々の幸せを希求し続けていくことを心から願う」と述べられた。例年と同じく「深い反省」との言葉も読み上げた。
遺族代表は父をフィリピンのルソン島で亡くした岐阜県大垣市の金森武士さん(84)。追悼の辞で「世界各地で多くの紛争が続き、犠牲者が後を絶たない。一日も早く平和が訪れることを願う」と述べた。最高齢の参列は川崎市の高橋和彦さん(98)で、兄がルソン島で戦死。最年少の男児は曽祖父が同国ミンダナオ島で命を落とした。
厚生労働省によると、事前に参列意向を示した遺族3270人のうち、戦後生まれは56%の1840人で、初めて半数を超えた昨年の53%より増えた。(共同)

