伊藤匠王座(叡王=24)に広瀬章人九段(39)が挑戦する、将棋の第74期王座戦5番勝負第4局が14日、神戸市「ホテルオークラ神戸」で行われ、広瀬が伊藤を下した。
対戦成績を2勝2敗のタイに戻し、決着は最終第5局へ。王座戦初登場の広瀬は8年ぶりのタイトル奪取、伊藤は王座初防衛となる2連覇を狙う。第5局は27日、山梨県甲府市「常磐ホテル」で行われる。
終局後、大盤解説会に登場した伊藤は「途中から指し方を間違えた」と振り返り、「最後は負けの順にぴったりと入ってしまった。もう少し正確に指せていれば」と悔やんだ。
戦型は相掛かり。難解な中盤の攻防を経て、勝負は夜戦へともつれ込んだ。広瀬が銀を繰り出して切り合いに出ると、盤上は激しい寄せ合いに。終盤の攻防を制した広瀬が踏みとどまった。
初防衛を持ち越した伊藤だが、フルセットの戦いは幾度も乗り越えてきた。3連覇中の叡王戦と昨年の王座戦は、いずれも最終第5局でタイトル獲得や防衛を決めている。タイトルを手にした4度のシリーズすべてで、最後の一番を制してきた。まさに“ミスター・フルセット”だ。
24年の叡王戦では藤井聡太の8冠独占を崩し、昨年の王座戦でも同学年のライバルを最終局で退け、2冠に上り詰めた。広瀬の追い上げを振り切り、叡王と王座の2冠を守れるか。大一番で発揮してきた勝負強さが再び問われる。
最終局に向け、伊藤は「悔いの残らないように、しっかりと集中して指したい」と気持ちを切り替えた。

