日本将棋連盟の谷川浩司会長(54)が18日、都内で記者会見を行い、辞任を発表した。昨年10月から、三浦弘行9段(42)が対局中にソフトを不正に使用したという疑惑が起きたが、その後不正の証拠がないことが第三者調査委員会で認められたことを受け、一連の騒動の責任を取った。

 昨年12月27日の会見では、会長職を続けると説明していたが、この日は「辞任にいたったのは、体調不良」と、胃痛や不眠など自身の心身の不調を理由のひとつに挙げた。「会長という立場は、いろいろな場所でごあいさつをしなければいけない。その時に、考えていることをちゃんとお話しできることかどうか、不安に感じた」と付け加えた。谷川会長については、10月の問題発覚当初から棋士の間でも責任を問う声が出ていた。12月の会見後には、会長らが減給になったが、処分が軽すぎるという不満も高まっていた。

 谷川会長は19日の理事会で正式に辞任を表明。近日中に臨時総会が開催され、その場で会長職を退く。また、臨時総会と同日に開催される理事会で、新会長が選出される。新会長の人選については「将棋連盟の代表でもあるので、知名度のある方に」と希望を明かした。

 また、ソフトの不正使用の疑いが晴れた三浦9段については、2月13日の竜王戦予選で、羽生善治3冠との対局で復帰することを発表した。「三浦9段の棋士としての対局、回復のめどが立ったことで、将棋ファンのみなさま方、私の後を引き継いでくださる方に対して、少しでも責任を果たすことができたのでは」と説明した。三浦9段は、谷川会長辞任について連盟を通じて「このような結論になってしまったのは、とても残念です。将棋ファンのためにも、早く将棋界が正常な状態に戻ることを願っています」とコメントを発表。復帰戦については触れなかった。