日本維新の会から東京の小選挙区で出馬を予定しながら、維新と、希望の党による東京と大阪の候補者すみ分けにより、比例代表単独での出馬を余儀なくされた小林学、木村剛司両氏が6日、都庁で会見し、無念の胸の内を明かした。

 維新の松井一郎代表(大阪府知事)と、希望の小池百合子代表(都知事)は、大村秀章愛知県知事と「三都物語」の連携体制を構築。維新は東京に、希望は大阪に、それぞれ候補者を擁立しない方針で合意した。

 そのあおりを受け、当初、東京の7つの選挙区で出馬を予定していた候補者は、小選挙区での出馬の道を断たれた。「比例代表には維新を入れたい人もいると思う」(党側)として、2人を比例代表の候補としたが、「普通は小選挙区に候補を立てて、比例票の底上げを狙う。今回は前代未聞で、非常に困難な戦い」(柳ケ瀬裕文都議)になった。

 東京5区で出馬を予定した小林氏は「すみ分けの流れの中、維新の政策を訴えていきたい」と述べた。また、2012年衆院選で落選後、5年間、東京14区で国政復帰を目指して活動してきた元職の木村氏は「この5年、精進してきた。小選挙区は自分の名前を書いてもらう選挙。政党間の約束で選挙に出られないのは、大変、じくじたる思いだ。頭が真っ白になった」と、小選挙区での出馬が断たれたことへの本音を漏らした。「全く戦い方が違う。雲をつかむような戦いだが、有権者1人1人に党の名前を書いていただく以外にない」と、気を引き締めた。

 東京維新の藤川晋之助事務局長は「維新のファンは潜在的にいると思う。前代未聞の戦いの中で、1枚目(小選挙区)はどこに入れても、2枚目(比例)は維新とお願いしたい」と述べた。

 同党で唯一の東京都議でもある柳ケ瀬氏は、希望の党について「比例では、ガチンコで戦う。希望とは違う政党ということを示す。政策の方向性は同じだが、違うのは実績があること」と強調。希望との関係は、あくまで、連携ではなく「すみ分け」だとした上で、「希望が、どこまでやる覚悟があるかは選挙の後に試される」とけん制した。

 橋下徹前市長が応援に入る予定はないという。