ネット上では「アゲアゲさん」と呼ばれ、「将棋ユーチューバー」として活躍する将棋のアマチュア強豪、折田翔吾アマ(30)が、プロ入りをめざす棋士編入試験の5番勝負第4局が25日、東京都渋谷区の将棋会館で指され、本田奎五段(22)を破り、対戦成績3勝1敗で合格した。4月1日付でプロ棋士の四段になる。

1度は挫折を味わった折田アマが、夢をかなえた。将棋ユーチュバー出身のプロ棋士が初めて誕生した。故・花村元司九段、瀬川晶司六段(49)、今泉健司四段(46)に続く史上4人目の棋士編入となった。

現行の試験は06年に制度化され、14年に今泉健司四段(46)が受けてプロ棋士となった。

今泉は「折田君、おめでとう。自分の力を信じて戦い、勝った事、本当に素晴らしいです。そして、これからが本当の勝負。将棋で勝っていくことは当然だけど、それ以上にやるべき事は、ファンの皆様に愛される棋士になる事だと思います。棋士それぞれに課された役割があります。折田君でしかできない事をしっかりやっていって、将棋界にお互いしっかり尽くして行きましょう」と将棋連盟を通じてコメント。

映画「泣き虫しょったんの奇跡」(18年公開)で半生が描かれた瀬川は「折田さんおめでとうございます。プロ編入の先輩としてとてもうれしいです。彼の素晴らしい戦いぶりに勇気づけられた方も多かったのではないでしょうか。私も励みになりました。プロ同士としての対戦を楽しみにしています」と祝福のコメントを寄せた。

日本将棋連盟会長・佐藤康光九段(50)は「このたび棋士編入試験の合格、誠におめでとうございます。4局とも見事な戦いぶりでした。ご自身の個性を生かされ、棋士として、将棋界の枠を超えた活躍を期待しております」と期待のコメントを寄せた。