東京都医師会は13日、緊急記者会見を行い、尾崎治夫会長が、感染拡大の「第4波に入っている」と断言し、東京五輪・パラリンピック開催の可否について「さらに厳しい状況」という認識を明らかにした。

マイナス要因として「変異株が、これまで急速に拡大するとは予測できなかった。今の状況、ワクチンの接種とか、どんどん遅れて来ている」などを挙げた。その上で「万が一、急速な感染拡大があった場合にはワクチン接種も遅れるし、医療従事者も、そちらに専念せざるを得ない」と危機感をあらわにした。

大会開催へは、「感染予防の厳しい態勢、こういう形なら取れる、というものを国、組織委員会で示していただきたい。安全に国の内外に感染者が増えることなく、開催できるものを見せてもらいたい」と前提条件を示した。さらに「精神論的にやる、やれないという話は十分、聞いている。(具体案を)示していただいて、私たちも、それに対して真剣に協議をしたい」と強く訴えた。

尾崎会長は、白血病を克服して東京五輪代表に内定した競泳の池江璃花子らの活躍に触れ、「個人的には池江選手もあれだけ頑張ったり、ゴルフでも活躍されている。スポーツは大好きなので無観客であっても、やれる道も考えていただきたい」としたが、「現実的にはワクチン接種が進んでいる国もありますが、そうじゃない国もたくさんある。従来通り、いろんな国から選手が来て開催するオリンピックは、例え無観客であっても今の時点でなかなか、難しい」と重ねて、否定的な見解を示した。

【大上悟】