前千葉県知事でタレント森田健作(72)がパーソナリティーを務めるニッポン放送「森田健作 青春の勲章はくじけない心」(日曜午後5時30分)の増刊号として放送される特番に、菅義偉首相がゲスト出演することが5日、決まった。

菅首相は先月28日、同じく森田がパーソナリティーを務めるFM NACK5「森田健作 青春もぎたて朝一番」(日曜午前5時30分)の収録に臨んだ。同じスタジオでニッポン放送「森田健作 青春の勲章はくじけない心」の収録も行っており、同局が11日深夜1時30分から増刊号を編成することになった。

NACK5は4日に続いて、後編として11日にも放送。ニッポン放送も11日に通常の放送と合わせて、深夜に放送する。

番組では森田が菅首相に質問する形で、コロナウイルスの感染拡大への対策やワクチン接種、さらには東京五輪について語っている。

特別編編成についてニッポン放送の瀬尾伊知郎取締役コンテンツプランニング局長は「報道番組への出演と違い、親交の深い森田氏との対談ということもあってか首相もリラックスして語っています。そう言った意味でも首相の率直な気持ちが伝わってくることから、対談をほぼノーカットで放送することにしました。深夜ですので若いリスナーにも聴いてもらいたい」と説明した。

番組では、コロナ禍で苦境に立たされているエンターテインメント業界への対応策などについても語っている。森田は「友人や知人には俳優や歌手がたくさんいるし、芸能に携わっている仲間が多い。みんな口々につらさを訴えている。もちろんウチの会社(サンミュージック)も含め、多くのプロダクションや舞台、イベント、映画関係者も苦境に立たされている。もちろん、つらいのは他の業種も同じでしょうが、今回は私が身を置くことになったエンタメ業界についても、もっとバックアップしてもらえないかと訴えました」。

森田からの要望に対して、菅首相は緊急事態宣言やまん延防止措置などによってキャンセルや払い戻しなどで迷惑をかけてきたことを謝罪した上で「さまざまな支援策を講じてきたが、この業界ではフリーターも多い。今後は新たな支援策も考えないとはいけない。社会保障制度も含め検討していきたい」と述べている。

森田も「さまざまな見方や意見があることは分かっている」としながらも「私は二十数年、菅さんを見てきました。そう言った意味では菅さんの人柄や努力は知っているつもりです。ですから、今の私の立場で総理の思いを1人でも多くの人に伝えたいと思っている。今、まさに国難の時代。ですから、少しでも前向きに行こうということです」。

関係者によると、報道系以外のラジオ番組に、現職の首相が出演するのは珍しいという。